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意見交換の中では、サポーターとして関わる姿勢や参加されるメンバーの方々の情報共有のあり方を確認するとともに、住所地もさまざまであるため食費だけでなく交通費など費用負担が大きくならざるをえない方もおられ送迎という方法はどうなのか、という提案もありました。自宅の実践に向けての個別支援の必要性についての提案や初回の参加者が溶け込みやすい雰囲気づくりのための配慮等について前向きなディスカッションをさせていただきました。
まだ、戸畑で一箇所だけでの開催ですが、いずれ、それぞれの方々の住まいに近いところで開催できるといいなぁ・・は共通した思い。そのためには、参加していただくサポーターさんの数も増えていく必要があります。
あなたも、生活者の視点で関わっていただけませんか??あなたのご一報をお待ちしております。
今回は、今までで一番、手間のかからないメニューだったかもしれません。レトルトの炊き込みご飯の具材を利用した「栗の入ったカシワ飯」と冷凍里芋の煮っころがし、そして、豆腐と茄子の味噌汁と野菜の浅漬け。「炊き込みご飯
最初から参加しているNさん。随分手際がよくなったねぇ・・と皆にほめられとても嬉しそう。ご飯炊きにはちょっと自信がついたかな、と思いきや、「指示してもらえるからできるけど一人ではまだ自信がありません。帰りに炊飯器を買って帰るので、来週、訪問看護士さんが見えたときに一緒に炊いてみようと思っています。」と慎重な答え。でも、「ご飯を自分で炊くとどれだけお金が節約できますか?」とエンゲル係数の節約には意欲的。実際に、プランで使用する炊飯器と自宅の炊飯器は大きさも使い勝手も違うでしょうし、表示の内容や形式も違う
でしょう。彼は訪問看護を受けていますので、応用編を委ねられもするのですが、特に自宅での初回の実践には、もうひと工夫の個別プランがいるのかな、一人で実践していくには自宅でのサポートも必要ですよね、とサポーターさんからの意見にもあがっていました。他機関との連携も大事なキーワードです。
まずはご飯を炊くことからのスタート、でもいつの日か、彼の自宅にお呼ばれして、みんなで手料理をご馳走になる日を楽しみにしたいものです。
Aさんからは5年ぶりのくらいに分厚い封書のお便りをいただき、Bさんからは一年に一回くらいのペースで手紙をもらったり、街中で出会ってちょっと立ち話をするくらいのペースで今回は久々のお手紙。Cさんとは、ほぼ8年ぶりの電話・・という具合。いずれも私にとっては懐かしく嬉しい再会です。
Bさんは、大手スーパーに勤めて8年目。時々、息切れしそうなときに、手紙が届きます。今回も、ちょっと疲れ気味。でも、そんな心情の吐露の最後には、必ず、「みずほさんもきっと仕事は大変なのでしょうね。めげずに頑張ってくださいね。」「次に会う日まで健康に気をつけて、元気なみずほさんでいてくたさい。」と結ばれていて、いつも優しさとエネルギーをもらいます。
自分の無力さを感じても
やることを放棄しないで
出来るから
やっていくしかない
・・今、以前書いた自分のこの詩に励まされている、と書いてありました。
息抜きしながら、ちょっと頑張れぇ・・、Bさん。
先日、来所されたAさんのf開口一番の言葉は、「今を生きている、生きていく、ということ自体を受け入れられない。受け入れることができずにずっとを過ごしてきた。」という厳しい言葉でした。それは、同席している親御さんへの挑戦の言葉でもあったのだと思います。
以前、勤めていたクリニックでは、毎週山歩きにみんなで行っていました。最初は、みんなうつむきがちでただ歩くのみ、道路とまるでにらめっこをしているよう。でも、回数を増すごとに、雲の動きや風のそよぎ、季節ごとに変わる花々、山の景色の変容や山の実りの豊かさ・・を知ることで段々、目で耳で・・そして五感で、「自然」を感じられるようになっていかれました。そして、ともに歩く人にも目は拡がっていかれました。
私が「生きている」ことを実感する瞬間のひとつも、季節の移り変わりを体感するとき。Aさんにも、人との関係の中だけでなく、自然に身をおく中で、「彼岸花ってこんなに赤かったんだ。」、と少しでも感じてもらえるといいなぁと考える秋の一日でした。
昨年の10月1日にこの事業を開始し、早いもので、丸一年を経過しました。
この間に、住まいに関わらない一般相談も含め実数で167名の方からのご相談をお受けし、実際に転居まで至った方は25名(内、家賃保証事業者2社の利用は11名)です。
この事業は、精神科領域からスタートし、地域移行を主眼とした事業ではあります。でも、住まいにかかる相談者(129名)のうち95名は様々な状況にはありながらも自宅があり、66名は住み替えを希望し、19名が単身移行の希望を述べています。三障害での入所施設や病院からの地域移行の希望数は33名と決して多くは無く、潜在的なニーズはもっともっと高いものと思われます。
新しい動きとしては、市営住宅に加え、この9月の募集から県営住宅でも「入居後に常時の相談対応等の居住支援体制が整っている方」(北九州市内の市営住宅については北九州障害者居住サポートセンターからの意見書が提出できる方)について単身入居の枠も少し拡大されたところです。(※詳しい要件は、福岡県住宅供給公社のホームページをご参照ください。)
改めて、「住まい」に関する独立した相談支援機関に従事して、課題の多さに直面させられる一年間でもありました。公営住宅への希望の高さ、並行して車椅子で利用できる住宅への希望の高さに反比例するかのような入居物件を探すことの困難さ、転居に要する費用負担の課題、施設や病院から移行する際の結果としておちてしまっている生活力の課題とそれを取り戻すためのプランの無さ、住み続けるための生活プランの組み立て・・などなど。
大阪読売新聞の原記者は、精神科領域の地域移行を進めるために、病院から押し出す力、院外から引っ張り出す力、地域で安定させる力、の三つの力の充実が必要である、と述べています。他の障害領域であれば、病院を施設と読み替えていただければ課題は共有できると思います。
このセンターでできることはほんの一部分です。前記の三つの力に合わせて、それを調整する四つ目の力も含め、いろんな関係機関とのネットワークの中で、お一人お一人の暮らしのあり様を応援していきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお付き合いください。
所長 佐藤 みずほ
尚、11月に行われる、「第63回九州精神保健学会」(11月15・16日 於 北九州国際会議場)で、「北九州障害者居住サポートセンターの一年間を振り返って」というテーマで発表させていただくことにしております。それに向けて、この一年間をまとめている途中です、まとまった段階でホームページにも掲載したいと考えております。
学会についても、近日中にチラシを情報提供欄にアップさせていただきますので、ご確認ください。