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北九州障害者居住サポートセンターでの日々の活動についてリアルタイムに報告します。
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584c68ffjpegTS380127.jpg先日、2月29日に、クラウンパレス小倉で行われた、福岡県・福岡県精神科病院協会主催の「平成19年度精神障害者社会復帰促進講演会」を受講させていただきました。講師の上野容子さんとは10年来の知り合い、以前彼女が医療法人が母体となって運営している「精神障害者地域生活支援センター」の現場におられたときからのお付き合いで、これまでも何か整理したい課題や確かめたいことが起こったときには、お知恵をお借りしていた大先輩です。・・というと、私は、そんな年寄りじゃないわよ、と一喝されてしまいそうですが・・。
「私が現場にいると人件費がかさむので、自分の食い扶持は大學でいただくことにしたの。」と楚々と笑いながら大學に中心を移された彼女。でも、よってたつところはいつも現場にあって、大學の先生然ともせず、いつも自然体が素敵な女性です。
そんな彼女が、「私たちが若い頃は制度がなくて、現場でああだこうだといいながら、苦労してでも作り上げていく喜びがそこにはあって、いい時代だったのかもしれないわね。」とボソッと一言。今は、それなりに制度もあるにはあって、でもそのことで逆に不自由になったり、それにあわせるために苦労をしているような所もあって・・。今日は、電動車いすを取得された方のその後の調整のために、専門職の方と同行させてもらったのですが、「与えられた」車椅子に自分を合わせようと苦労している彼の姿が垣間見えて、・・制度との関係も同じなのかもしれない・・と切なく感じた夕暮れでした。
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2月21日(木)の午後、福岡県遠賀保健福祉環境事務所主催の「第三回 精神保健福祉担当者連絡会議」にて、居住サポート事業についてお話させていただきました。当日は、精神科の緊急対応事例が続き、保健所内はバタバタしておられましたが・・。
センターのこの一年間の活動を中心に一時間あまり紹介させていただき、あとは質疑応答。その中で、家族会の方から、「ここまでできたら、一人暮らしができるというようなラインがありますか?」とのご質問をいただきました。これまでの支援経験の中で、一人暮らしを始められても「ゴミ出しのルールが理解できていなかった」、「掃除をしないために部屋がゴミだらけになっていった」、「夜中でも大きな音量で音楽を聞くため近隣からの苦情があった」・・など、地域に暮らす基本的な生活ルールの部分の問題で結果的に破綻していった事例があり、その部分をどこかでなんらかの形で練習できるような場や機会とかないだろうか、とのご質問。できないところをホームヘルプや訪問看護で補ってもらったり、手伝ってもらえることも大きな生活力です。でも、「一人で暮らす」ための経験値はやはり、自身で経験する中でしか学べない部分も大きいと思います。守られた集団(それは家族と暮らしている方にも共通の部分が多いです)から離れ、この上ない自由さと並行して、「淋しさ」や「静けさ」、「恐さや不安」、「わずらわしさ」、「近隣との折り合い」、「基本的な社会的ルール」など第三者との関係の中で学び、環境の中で経験を増やしていければいいのではないでしようか。前日、ある病院の療養病棟で退院を考えている26歳の女性とお会いしました。訪問時も細々と気を使っておられましたが、自身では「10代からずっと病気で入院生活も長いし、一般的な26歳より幼いだろうし、社会的なルールについて自信がないんです。」と不安を吐露しておられました。その不安こそが、ストレングスであり、明るい明日を見た気がしました。
精神科病院よりの地域移行を推進している巣立ちの会(東京都・三鷹市)の実践の中では、対象者の大枠を
      ・  服薬管理がある程度確立している人
      ・ 通所施設に通え、集団に馴染めること
      ・ 職員との信頼関係が築けること   
として、年齢制限は特に設けておらず、ADLについては現在模索中・・としています。
その後は、退院後の生活支援の組み立ての中で、ゴミの分別や食事の管理、服薬の管理、諸手続き・・など日常生活の中で起こる様々なことをサポートしておられます。
予定通り、想定どおりにいかないのが、地域生活。
ご本人と一緒に、アフターケアの体制をどう組み立てられるか、が、大きなポイントだといえるでしょう。
b550dc0fjpegfa993760jpeg昨日、視覚障害をもつ76歳の男性が民間のアパートから市営住宅へ転居されました。
ほとんど全盲に近い方で、いろいろな生活課題も見え隠れはする方ですが、これまでは近隣のインフォーマルな支援に支えられて生活してこられた独立心の高い男性です。でも、転居に伴い、できること、できないことの様相がかなり変わることもあり、介護保険サービスや障害福祉サービス、地域の民生委員さん、地域包括支援センター、歩行訓練士、なども加わり、彼を取り巻く関係者も大きく変わっていきそうです。
昨日も朝早くから、2DKの部屋に、率先して来ていただいたお二人の民生委員さん、4名の地域生活支援サポーターさんにもお手伝いいただき、畳ふきに始まり、レイアウトから用品の入れ替え、布団干し、冷蔵庫やレンジの中の掃除など「見えない」ことでできていなかったこまごまとしたところの手入れや整理も手伝っていただきました。笑い声さえ聞こえる空間は暖かさに満ち溢れていました。
でも、とあるサポーターさんから、「以前、自分の暮らす町に障害のある青年が家をたてて暮らしていた。でもいつのまにか見なくなって・・・地域で何か差別を受けたり嫌なことがあったんじゃないかなぁ・・とずっと気にかかっていることがある。その時に民生委員さんでも関わってくれていたらなぁ・・と今日の民生委員さんの動きを見ながらいろいろ考えさせられたよ。でも、これは彼が老人だからなのかなぁ・・、調整の中に行政(区役所)が入ってるからかなぁ・・」、と一言。私たち自身の民生委員さんとのつきあいもそんなに多くはありませんし・・実態としての即答はできかねます。でも、先日のアヴァンセのシンポジウムにも昨年から関わってくださっている民生委員さんがおられたり、自宅にも新年のお餅を不在にしていたら次の日に改めてもってきてくれた民生委員さんに感激した・・という当事者の報告もあったように、地域は少しづつ変わりつつあるのだろうなぁ・・と言うのが実感です。「発信」することでつながる関係もあるでしょう。民生委員さんをはじめ、班長さん、「私も一人暮らしよ。よろしくお願いしますね。」と声をかけてくださった階上のご婦人・・新しい生活は「新しい人間関係」の始まり。今回は、民生委員さんが地域の接着剤になってくださるといいなぁ・・と大きな期待を抱いているところです。
6304b1d9jpeg2月16日(土)に総合保健福祉センターにおいて、「精神障害者の住まい~自分らしく街で暮らす(Ⅲ)」が行われました。当初、アヴァンセは精神科病院から地域へ移行される方々への保証人提供事業の実施を主目的として開設されたNPO法人ですが、現在では事業内容も多少変更し、今回のシンポジウムのテーマも<住まい>から<暮らし>の問題へシフトしての開催でした。シンポジストも、当事者、家族、行政担当者、訪問看護事業者、そして当センターと多岐にわたり、それぞれの立場からの思いや実践について報告を受け、小関副代表のコーディネートでの2時間半あまりでした。センターからも、この一年間の活動報告を中心に現状で考える課題等報告させていただきました。
実態として、市内にはそれなりの相談支援機関を含む社会資源や制度はなくはなさそうだ、とは共通の認識かもしれません。でも、その間をつなぐコーディネート力はまだまだ非力だといわざるをえませんし、機関間やサービス間の隙間もたくさんあります。その隙間を埋めるために、当センターでの活動の中にも、地域生活支援サポーターの活動があり、今回は一緒に数名のサポーターさんたちも参加していただき、その活動内容の一部も紹介していただきました。その中で、これは訪問看護事業者の方に対してでしたが、とあるサポーターさんが、「実際のサービス提供の場面に隣近所の人との関係づくりのための支援とか巻き込むような活動、あるいは市民活動に通じるような関わりはされているのでしょうか?」と、自身の活動の足場の確認のための質問をされました。
私自身、これからの方向性として、隙間を埋めたり、間をつないだりする接着剤的な役割の中に、当事者、家族、市民の担うべき役割は大きいものがあるし、どう拡げていけるかが大きな課題だと考えています。当然その中に「NPO法人」であるアヴァンセの担う役割もおのずと拡がっていくのだろうなぁ・・、と期待したのは私だけではなかったのではないでしょうか。
6887c90cjpeg8badca68jpeg週末のセンターの転送携帯はKさんのためのまるで専有回線状態でした。土曜日の夜に始まり、日曜日、祭日と架けも架けたり25回、数分おきにもかかる電話。とても悲しい出来事があり、それから寂しくてたまらない、食欲もない、何もする気が起こらないし楽しくない、人にいろいろ相談しても違う意見を言われて混乱してしまうし、時として傷つけられるようなことを言われて辛い、仕事も手につかないし誰とも話す気がしない、・・・マイナスの事象はとめどなく続きます。でも、時として自分なりに気分転換しようとしたり、回線の向こうに笑顔も垣間みえたりもします。
先週は山の蕗の薹に小さな春を感じ、あけて今週は雪の舞う冬、自宅の近所には雪だるままで出現していました。彼の気持ちも冬と春を行ったり来たり・・。でも、休み明けの昨日からはピタッと電話はかからなくなりました。週末の電話は人恋しさから寂しさがかけさせたもの、多分今頃は通いなれた作業所で作業に追われ、仲間やスタッフとの語らいに心も癒されていることでしょう。つかの間の冬の舞い戻りだったのかもしれません。
季節は時の移ろいの中で確実に変わっていきます。人の心もまた同様で、時が解決してくれることもたくさんあります。「しつこいくらい電話して申し訳ありません。元気になったらお礼しますよ。」と言う彼に、「じゃあ、ダイヤモンドにしてもらおうかな?」と伝えたら笑ってごまかされてしまいましたが・・。
彼の心に春を実感できる日もそう遠くはないことでしょう。
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